2015年5月24日日曜日

ふーせん動物ランド@新潟県立自然科学館その5

今回の展示は、科学館の特別展示室でのイベントということで、科学的なテーマを頂きました。気候帯とそこに棲息する動植物の違いを表現するというテーマでした。

そこで、熱帯、温帯、乾燥帯、寒帯の4つのテーマでディスプレイを作りました。


この記事(その5)では熱帯のディスプレイについて紹介します。

ここには巨大食虫植物をつくりました。

熱帯のディスプレイを設置する場所に大きな柱があったので、これを活かすために食虫植物の太い幹にしてしまえば面白いと思いついたのでした。(1つ前の記事で書きましたが、温帯の場所にあった柱は桜の木にしました。)

そして巨大な食虫植物の木の周りには、熱帯雨林が広がるイメージで、緑と青のバルーンの平面を敷きました。

バルーンの平面をつなぎ合わせている作業中の模様。まるで田植えのようなので、田植え作業と呼んでいます。

柱の周りにはハエトリソウをモチーフにした巨大植物。キバのような部分は透明なバルーンでつくってみたところ、しっくりきたので、たくさんキバを付けました。パックンフラワーみたい!って人気でした。

この巨大ハエトリソウの前にラフレシアの花を飾りました。ラフレシアは細かく編み込んだ5枚の花を、中心の明るいピンク色の周りに置いています。これだけ大きく作ると迫力があって、色も目立つので、たくさんの人が写真を撮っていました。

その周囲に熱帯に棲む動物達を飾りました。リスザル、ゴリラ、フラミンゴ、チョウなど。

柱の周りにバルーンを覆って、それらにハエトリソウやツルをしっかりと固定。バルーンとテグスだけでしっかり安定しています。バルーンアートは軽いので、吊ったり貼ったり引っ掛けたりといった展示はとてもやりやすいのが特徴ですね。重たい材質の作品だとこうはいかないでしょう。


簡単ですが、以上が熱帯のディスプレイでした。



このほか、乾燥帯にはバオバブの木をモチーフにした巨木とゾウ、キリン、ライオンを飾りました。

さらに寒帯にはペンギンたちの群れも。このエリアが一番人気だったようです。

写真はふーせん動物ランド@新潟県立自然科学館その1、その2の記事に掲載しています。




最後に下の写真は、今回つくった作品のなかで自分のお気に入りの作品。

「桜の木」、「タコと熱帯魚の海のリース」、「キツネ」、「サソリ」、「気球に乗った少年探検隊」 全ての作品は100%バルーンでつくっています。魚の目はプリントされてるバルーンを使っています。キツネと少年の目はバルーンで作っています。マジックペンで目を描くというのは作風に合わないので描きません。



以上、今回の作品展示のレポートでした。だいぶ簡単にまとめてしまいましたが、概要はお伝えできたと思います。

2015年5月16日土曜日

ふーせん動物ランド@新潟県立自然科学館その4

エントランスを入ってすぐにはサソリとサボテンの作品を置きました。


メインの場所には可愛らしい動物の作品が多いので、武骨な雰囲気の作品も飾りたいと思って、エントランスを入ってすぐの所にサソリを置いてみたのですが、意外にウケが良かったです。

ペンギンやゾウなどのかわいらしい作品は人気があって反応も良いですが、サソリのようなゴツゴツとしたデザインの作品も受け入れてもらえると、作者としては嬉しいものです。ちなみに、私は個人的にこういった感じの方が好きです。

サソリとサボテンのディスプレイの近くには「少年探検隊」のフィギュアを飾りました。ここから展示が始まりますというメッセージを込めてます。ポーズも片手をあげて、さぁ出発!という雰囲気にしてみました。この作品だけはアクリルのショーケースに入れました。コーティングして作った作品をこのようなケースに入れると、作品はほとんど劣化せず、萎みません。会期の終わりになっても、全く変化無くぴんぴんしてました。




水筒と帽子が特徴になっています。靴は少しポップな感じにしたくて、茶色や黒の靴ではなくオレンジにしました。


このさきは、バルーンの暖簾のような場所を通り抜けて、メインの展示へと向かいます。





2015年5月10日日曜日

ふーせん動物ランド@新潟県立自然科学館その3

特別展示企画「ふーせん動物ランド」のエントランスには、虹をモチーフにしたアーチを置いてみました。普段よく作る、一般的なバルーンアーチよりも色が多く、太いアーチにしました。手間と材料はかかりますが、それだけに立派になったと思います。

写真は展示室の内側から撮影


このアーチを抜けてすぐ、天井が鏡になっていて両サイドから光が照らす不思議な空間が続きます。この空間を活かすために透明な風船をたくさん吊るし、光の中を進んで行くようなイメージの空間に仕上げました。ここの装飾については、丸い風船を使って飾るのが得意なチームスタッフに完全に任せたんですが、とても良い出来でした。


バルーンアートといっても大きくは2つに分かれます。

1つは主に細長いバルーンをひねって形をつくりあげ、だいたいはフィギュアを作ることが多いバルーンツイスティング。私、風船職人SHINOの専門です。

もう1つは主に丸い風船を束ねたり重ねたり吊ったりして空間オブジェを作るバルーンデコレーション。SHINOチームにはこちらが専門の頼れるスタッフもいるので、展示会ではツイスティングもデコレーションも楽しめるような構成の内容にしています。


エントランスのアーチをくぐり、展示室に入ってくる来場客の模様です。



こちらの写真は展示室の外側から内側を望む向きで撮影。


今回の展示イベントのポスター




会場のエントランスは、とても大切な場所です。ワクワクと期待をもてるようなエントランスを通ってから展示作品を見るのと,そうでないのとでは、展示の印象がまるで違ってきます。

これは、たとえばステージショーをやるときに、ステージ装飾がある場合とない場合で、同じ内容のショーを披露しても盛り上がりが違ってくるのと同じことですね。

環境づくりがとても大切です。私は大学と大学院では景観学や風致計画を専門とする研究室で学んだので、こういった空間のつくり方と印象の関係にはとても興味をもっていますし、知識もあります。学生時代にとても良いものを学べたなぁと感じます。