2014年5月28日水曜日

試作

先月に、手首から親指にかけての筋を軽く痛めてしまい、親指を広げる動作が痛かったのですが、使わないことが一番の治療ということで、ここ数週間は風船をひねらない期間と決めて、普段のアトリエでは作品を作らないようにしていました。

(といっても、イベント現場でのパフォーマンスやそのための準備作業を除いてですけれど。)

そのおかげで、ほとんど治って違和感もなくなりました。
今週から、作品づくり解禁ということで、さっそく試作したかったものを作ってみました。


ゴールデンウィークのイベント現場で、適当に作っていたらできた30cmくらいの小さいリース。このリースを大きなサイズで作ってみました。とりあえずはレインボーカラーで。

小さい丸をひねってひねってひねって・・・
できあがったユニットをつなぎ合わせながら、次のユニットを付けていきます。

実際に作ってみると、出来上がりは想像していたよりボリューム感がありました。

色の組み替えが簡単にできる構造なので、配色を変えて、いろんな組み合わせを試したくなる作品です。しばらくはこの作品の使い方について、アイデアを膨らましていきたいですね。

バルーンアートは、動物やマスコットキャラクターなど、何かをモデルにしてそれに似せて作るモデリングが主流です。特に日本では似せて作る技が注目されがちです。

私も即興で色々と似せて作れるのがウリですが、今回作ったような抽象的な作品も大切にしています。






2014年5月23日金曜日

ウェブ更新情報

ウェブサイトの最近の更新は以下の通りです。


Topページの下部にある近況のコーナーに、虹のアーチや創作したリースの紹介を加えました。

近況コーナーで紹介した過去の事例をより詳細に記した活動報告のページを新設しました。

バルーンアートで作るおとぎ話のページに、三匹のこぶた、ヘンゼルとグレーテル、ハーメルンの笛吹き男を追加しました。

2014年5月19日月曜日

補助金申請チャレンジ中

安倍政権に替わってから、アベノミクスによって景気回復するか・・・・なんてことが経済ニュースで騒がれていましたが、一昨年からずっと、大企業最高益更新のニュースが続いています。大企業が潤ってくれば、だんだんと下りてくるはずの景気の波。きっとそろそろなんて思いながら、あっという間に一年以上、過ぎてしまいました。

ようやく給料ベースアップをしようという流れにもなってきているので、先行きは少しは明るさもありますが、中小企業にはほとんど恩恵がないというのが現状のようです。なかには新しいマーケットを切り開いて順調な会社も少なからずあるというニュースもありますが、ほとんどのところが厳しい状態だと、投資も消費も伸びません。

こういった状況のなか、大企業にだけ優しいのはまずいということもあってか、小規模事業者向けの補助金が、日本商工会議所を通じて出されることになりました。

その名も小規模事業者持続化補助金。

何か新しく始めたり、規模を拡大したりするものが対象ということらしいのですが、業種はほとんど何でもオッケーということだったので、アベノミクスの恩恵を感じていない私は、これは申請しとかないと!と一念発起してチャレンジしました。今まで、補助金とか、こういった類のことに無頓着だったので、初めてのチャレンジです。

経営計画などについて記すシートを提出して、販路拡大や設備投資などの事業にかかる費用の3分の2を補助してもらえるというもので、記入項目はマーケットの現状と今後の見通しとか、何をどう進めていくのかといった経営計画、それから補助を受ける事業はどんな効果があるのか(世の中に対し、そして自らの事業持続に対しどんな効果があるのか)といったことを具体的にわかりやすく、そして短く書かないといけません。補助の対象についての経費の詳細も記す必要があります。

文章の量だけだと一日で書き終わりそうなものですが、すべてを説得力を持たせ、整合性がとれるように書くとなると、下調べをしたり、今後の展開について真剣に考えないといけないわけで、これを書き上げるのに10日ほど費やしました。ある程度の数字もデータとして列挙しないと説得力ないですし、それをまとめるのに時間がかかりました。

ということで、GW後は、ほとんどこれをやってました。あとは、商工会の担当者さんが記入するシートを受け取ったら、写しをとって申請するのみ。結果はどうなるかわかりませんが、少しビジネスマンっぽい気分を味わえました。でも、作品つくってるほうが楽しいです(笑)






日本人とバルーンアート


バルーンアートは、当初は外国から来た珍しいものというイメージが手伝って、簡単に興味をもってもらえました。いわば舶来品的なイメージで、これは決して悪いことではありませんが、定着して物珍しさがなくなってくると、本質が問われることになります。

日本人としてバルーンアートをやっていることに、どのようなアイデンティティを見いだすべきか。日本のバルーンアートってどうあるべきか。どういった作品がウケて、どういった展開が望ましいのか。日本人の気質、マーケットの状況、それにもまして、なぜ自分がバルーンアートに惹かれ、続けようと思ったのか。このあたりを合わせて考えていくべき問題です。

海外の大会で各国のバルーンアーティストたちとコンテストを競ったり、情報交換をしたりすると、様々なヒントがありました。特にカナダ人でトロントを拠点にしているバルーンアーティストKenton Krugerとの会話は、とても参考になりました。

「イベントでバルーンパフォーマンスをしているとたくさんの人が集まるでしょ。トロントは様々な人種がいる人種のモザイクって呼ばれている街だから、いろんな人種の人が見てくれるんだけどさ、特に中国人と日本人は、食い入るように見るんだよね。彼らは作ってる様子を見るのが好きみたい。白人や黒人はどちらかというと出来たものを見て盛り上がってるけどね。」

一般に日本人は匠の技や緻密な手作業を好むと言われます。Kentonの言っているのは、まさにこういうことなんだろうと思います。「技」として魅せていくというのは、日本においては大事なことなのでしょう。

私がバルーンアートに惹かれたのも、短時間でみるみるうちにかたちを変え、完成するところにあります。そもそも、マジックやジャグリングなどパフォーマンスを見ること、そして自分でもすることが好きだったので、当初はバルーンアートもパフォーマンスとして捉えていました。時間をかけ、多くの本数のバルーンを使った立派な作品を作れるようになってからは、作品性とパフォーマンス性が両立せず、その点は今でも悩みながら続けています。手早く作れる作品は、そのまま作る過程を披露すれば技を見てもらうことができますが、時間のかかる作品は完成品を見て技を感じてもらう必要がありそうです。

次に、バルーンアーティストとしてどういう展開をしていくかについてですが、これはマーケットの状況が密接に関わります。大会で知り合ったアメリカ人とカナダ人のバルーンアーティストたちは平日の夜はレストランでチップで稼ぐ、土日は個人バースデーパーティーを1日3件くらい回る、ときどきエージェントからイベントの話が来るので、条件が合えば引き受ける。そのほかに、企業や団体パーティーの会場装飾とか、地域の図書館で子ども相手にショーをするなんて需要もある。割と安価なギャラ設定で数で稼ぐというのが一般的なようでした。なかにはビジネス展示会のブースで、バルーンアートを駆使しながら楽しく集客し商品説明をしているなんて人もいましたが、これは特殊例ですね。

日本では、マーケットのあり方は相当に違うように思います。チップを払う習慣はありませんし、個人のバースデーパーティーが同じ日に近隣でいくつもあるなんてことはありません。図書館での催しは、たいてい、ボランティアによる○○公演など、なにか楽しいイベントはコストをかけずにやるのが一般的なようですし。やはり、日本での展開は海外での展開とは別物として考えていかないといけませんね。

さて次に、なぜ私がバルーンアートを続けていこうと思ったかについては、ある体験が根底にあります。
目の手術で、わりと大きな手術でしたが、入院をしていたときのことです。隣の病室には、乳児が入院していました。当然、お母さんも一緒に泊まっていました。乳児の目は見えなくなってしまう病気で、治る見込みも少なく、手術に全てをかけるという状態。そのお母さんが、毎日、とても暗かったんです。絶望していて沈んでいるという表現がぴったりのような。この親子のことを不憫に思いました。私の手術も、それなりに大きな手術だったのですが、そんな私でも心配になるくらい、彼女は本当に落ち込んでいました。

何か出来ないかと、ある日、バルーンアートを1つ作って差し上げました。それを受け取った彼女は、たちまち表情が明るくなり、「わぁ、こんな素敵なものをもらったよ!」とお子さんに見せ、とても喜んでいました。そのときの変わりようが、忘れられません。束の間の喜びかも知れませんが、こんなにも人の感情を動かすことができるものかと思いました。

バルーンアートにその力があるのか、それとも、何かしたいという私の気持ちに感じるところがあったのか。そのどちらかというよりも、2つを合わせれば凄い力になるんだと思います。思いを込めて作品を作り、喜んでもらう。とても基本的なことですが、これを続けていきたいと思いました。


こんなことをヒントにしながら、日本人としてのバルーンアートのあるべき姿、自分の活動をどう展開していく、今でも考えつづけています。


2014年5月4日日曜日

インド人コミュニティー


先日、インド人のご家族からのご依頼で、3歳の男の子のお誕生日パーティーにうかがいました。パフォーマンスと作品のプレゼント、そしてゲストのお友達全員にもプレゼントを作ってきました。

参加者は9割ほどインド人、そのほかの国籍の方もいらっしゃいましたが、日本人(らしき人)はお一人のみ。多くの方が民族衣装を着ていて、キレイな色の民族衣装を来たお子さんたちが、とてもかわいらしかったです。

子どもたちは、日本語を話せない子がほとんどだったので、英語でやりとりをしましたが、インド人独特の発音もあって、それがまた、一層かわいらしい印象。どこで生まれたの?とか、日本にいつ来たの?とか、こちらからも、いろいろ質問しちゃいました。

日本ではたくさんのインド人の方が働いています。聞いたところ、インド人コミュニティーができていて、毎週末、色々な集まりがあるそうです。今回のバースデーパーティーも、普段の集まりの延長といった感覚らしく、バースデーケーキのセレモニー以外は、ずっと歓談。

各自、帰りたい時間に帰るような状況になっていて、日本人が開くパーティーとは大分、いろいろ違って感じられました。パフォーマンスも適当に始めて、適当に終らせるといった具合で、違和感ありまくり・・・

このくらい気楽な感じだと、集めるホストも、遊びにくるゲストも、ストレスないのかもしれませんね。きっちり仕切られてるのに慣れてる自分が特殊なのかも、と思えた一日でした。

BGMの音楽はインド音楽、用意されていたケータリング料理は、もちろんインド料理でした。
料理、なかなか美味しかったです。



インド料理店のケータリングサービスだったようですが、パーティーに来ていたお店のスタッフの方もインド人。

インド色100%のなかで、日本人の私がバルーンをひねってる、そんな状況。すっかり外国に行った気分でした。そういうのが嫌いじゃない私は、パフォーマンスが終った後も少しゆっくりして、楽しんじゃいました。